Amazonで購入したルイヴィトンは偽物!
Amazonをネットサーフィンしていたらルイヴィトンの財布にしてはかなり安い財布を発見しました
「超お買い得じゃん!買おう!」
と思ってしまったそこのあなた、危険です。なぜならそれは偽物の可能性が高いからです。
実は、Amazonには多くの偽ブランド商品が出回っています。最近それらの商品のクオリティーが上がってきており、熟練の鑑定士も頭を悩ませるほどです。
なので、今回は過去に数万本の財布を作った職人が徹底的に偽物の財布の特徴を解説していこうと思います。
この記事を読んで、皆さんも偽物に騙されないようにしましょう!
Amazonから偽物が届くまでの経緯を説明
今回、我々は「こんなに怪しい財布が本物なのか?」ということを調べるために購入しました。
しかし、商品がすぐに届くことで有名なAmazonですが、今回購入した財布はすぐに届きません…。(Amazon Prime会員なのに…)
そして数日が経過しても、中々商品が届かないので「おかしいな?」と思い、Amazonに問い合わせました。
すると、出品者が勝手に注文をキャンセルしていることが判明しました。それに加えて、商品ページも削除されていました。
もう届かないとあきらめ、動画をお蔵入りしようかなと思ったその時…
代引きで佐川急便から運ばれてきました。
箱にはこのようなメッセージが書かれていました。
ネイティブの日本人が読んだら違和感があるほど日本語が変です!本物のルイヴィトンであれば、このような文章ではないはずです。加えて梱包も非常に簡易的です。
また、送られてきた住所を調べてみると、ルイヴィトンの店舗ではなく、怪しい貸倉庫が出てきました。
さらに、この商品を受け取った後、おかしなメールが定期的に何件も届くように…
この時点で送られた商品が偽物ということでほぼほぼ確定していますが、しっかりと、中に入った商品を見て偽物かどうか判断していきます!
職人目線で偽物を見破るポイントを解説
最近の偽ブランド品は一目見ただけでは、一般の人が偽物と本物の区別がとても難しいぐらい、クオリティーは上がっています。
そこで職人という目線からポイントを紹介します。
前提として、偽物と本物には、目的に大きな違いがあります。偽物は「大量生産」を目的とした作り、本物は例えるなら「職人が織りなすアート」です。そのため、きっちり時間のかかる作り方をしております。
これらを踏まえた上で今回の激安ルイヴィトンの「ありえへんポイント」を解説していきます。
見るべきポイント! | 偽物 | 本物 |
ステッチ(縫い目) | 縫い目のスタート位置が重なっていない | 縫い目のスタート位置がピッタリ合っている |
ファスナー | ファスナーの移動が異様に軽い。 ブルーのビニールの保護シートがつけられている | YKKのエクセラファスナーを使用しているので、開くと重厚感がある |
外側 | 異様に硬い | 芯を何層にも重ねて製作しているのでふんわりした柔らかい仕上がりになる |
とはいえ、見た目だけではなかなか区別がつかない偽物が増えてきているので、分解して偽物の作りを見ていきましょう。
財布を開けてみると、中にスポンジのようなものが入っていました。ちなみに機能、視聴者様のコメントによると、本物には中にスポンジが入っていないことが判明しました。
商品の作りから本物との違いを三つのポイントで説明
①ステッチ(縫い目)
気になる点はステッチの質です。本物のルイヴィトン製品では、非常に細かく均等なステッチが施されています。そのため、解くのにもかなり時間がかかります。
しかし、偽物ではステッチが雑で、所々で糸がほどけている箇所も見受けられましたので、サクサク解くことができました。
糸を解いている際に、革が糊?(米粒のようなもの?)で雑に貼られていることに気付きました!外装はベリべりと音をたてて軽々と剝がれていきました。
また上糸と下糸の色が違いました。白色の糸で縫製されていますが、下糸の色が青色でした…。おそらく別のバッグや財布を製造している際に余ってしまった糸を使用しているのでしょう。その点はエコですね。
しかし、このような方法で製造してしまうと、白い生地なのに青い糸が表側から見えてしまう可能性があります。つまり見栄えが悪くなってしまうのです。
勿論、ハイブランドのルイヴィトンであれば、下糸と上糸の色を白糸で統一するはずでしょう。
取り出した表胴は紙芯で作られています。そのため、見た目がかなりかっちりと固い印象になっています。
本物のルイヴィトンでは勿論このような芯を使いません。なぜなら、高級感があるハイブランド特有の美しい見た目にするため、芯を重ねて、ふんわりとした柔らかな仕上げ方をするからです。
②ファスナー
ファスナーの端は左右不均等で、両面テープでつけられていました。本物は左右均等の長さで、ボンドで貼り付けられています。ファスナーの引き手には安っぽい青のビニールの保護シートが貼り付けられておりました。
まるで引きちぎったかのようなファスナーです↓
③財布の内装
内装を糸ばさみを使って解いていこうと思いましたが、糊で留められていただけなので、糸ばさみを使わず腕力だけでバリバリめくっていきました。糸で補強はされていないかもしれません。なので分解するのに必要な時間はごくわずかでした。
以前本物のルイヴィトンのボディバッグを分解した際はこんな短時間で分解することはできず、あまりの強度にマサさんは指を怪我してしまいました。
【以前本物を分解した時の画像↓】
合皮?or本革?
内装を解く前に、ギャランティカードが入っていました。
このギャランティカードにはしっかりとフランス語で「牛革」と書かれております。もちろんこの財布には全く牛革が使われておりません。おそらく本物のギャランティカードをそのままコピーして作られているのでしょう。
紙も重厚感がなく、安っぽい紙が使用されておりました。
表を見ると革のようなシボ感がありましたが、裏面を見ると生地のような素材だったのでこちらは合皮でした。数か月使用しているとボロボロに剥がれていってしまうでしょう…。
【表面】
シボがしっかりとあるので一見本革に見えますが…
【裏面】
裏側は完全に生地素材で、革特有の吟面と言われる層が存在しなかったので合皮だということが確定しました。
吟面とは革の一番上の層のことです(革を真横から見た図)
シリアルナンバーについて解説
2017年以降に製造されたルイヴィトンの商品のシリアル番号のルールは
・製造月が週表記(1年は52〜54週)に変更になる
・製造工場+数字(4桁ある数字のうち、1・3番目が製造月、2・4番目が製造された週)
・例:BO2038=2008年の6月(23週)に製造されたもの
となっています
(参考:https://komehyo.jp/komeru/1011)
今回の偽物にあるシリアルナンバーが”JT6968”でした。
このシリアル番号を解読すると次のようになります。
・1990年代 :1998年66月
・2000年以降:2098年の66週目
※JTに該当する生産国はありませんでした…
私たちの知るカレンダーでは表記されていないような製造日になっております。さすがに2098年に製造されているものは存在するはずがありません!
シリアル番号も偽物かどうか見極めるのに役立つ情報なので、商品に記載がある場合はぜひ調べてみてください!
職人による判定は?
Amazonで送られたルイヴィトンの偽物の特徴は以上でございます。
見た目だけではなかなか区別がつかない本物と偽物ですが、分解して細部に目を向けると、その違いは一目瞭然です。今回の偽物のクオリティーは非常に低く、使用した際もすぐに故障する可能性が高いと思います。
偽物の商品は存在しますが、職人の技術に偽物はありません。偽物商品は許せませんが、職人の高い技術が偽物に搭載されていることも少なくはありません。
見た目では本物と見分けがつきにくいですが、職人だからこそ偽物が見抜けることもあります。職人だからこそ見分けることができるポイントをこのサイトではご紹介させていただきます。
新進工房の想い~偽物に騙されないために~
我々は、偽物に騙されないようにするために、ブランド品は正規店でご購入することをお勧めしております。そうすることで、格安・大量生産の偽物を撲滅し、職人の価値を向上させることができると信じています。また、身に覚えのない代引きが届いても絶対に受け取らないようにしてください。もし受け取ってしまっても、中身を開封せずに、Amazon公式サイトにお問い合わせするようにしてください。
この記事を読んで、皆様も職人の技が遺憾なく発揮された商品を適正な価格で購入しましょう!
そうすることで職人の技術も適正な価格で評価されます。この流れが業界の発展につながっていきますので、皆様のご協力、お願いします!
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